姫路市飾磨の調剤薬局
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病院の薬局って本当に”薬局”?薬局と調剤所の違いを説明します

病院
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病院の中で薬をもらう場所「薬局」。

これって本当に薬局でしょうか?

だって、看護師も出入りして薬を持って行っているでしょう?

町の薬局と病院の薬局、何が違うの?

ちょっと難しい調剤所について説明します。

薬局の法的な定義

兎にも角にも法律からです。

医薬品医療機器等法2条12項に薬局の定義が書かれています。

この法律で「薬局」とは、薬剤師が販売又は授与の目的で調剤の業務を行う場所(その開設者が医薬品の販売業を併せ行う場合には、その販売業に必要な場所を含む。)をいう。ただし、病院若しくは診療所又は飼育動物診療施設の調剤所を除く。

重要な点として、病院の薬局は調剤所といって法的には薬局ではありません。もし、調剤所を薬局としてしまうと看護師などが患者に薬を渡すことができなくなります。薬機法2条12項に「薬剤師が販売又は…」と規定されているからです。

もう一つのポイントは薬局は場所に対するものであることです。「有限会社 〇〇薬局」はOKということです。法人は法的に人とみなされるものなので。何でもかんでもアウトという訳ではありません。

ちょっと横道に逸れました。

薬局の名称に関する規制

もちろん、薬局でないものを薬局と言ってはダメです。これは法律にも明記されています。

医薬品医療機器等法6条

医薬品を取り扱う場所であつて、第4条第1項の許可を受けた薬局(以下単に「薬局」という。)でないものには、薬局の名称を付してはならない。ただし、厚生労働省令で定める場所については、この限りでない。

ただし、「厚生労働省令で定める場所については、この限りでない」と例外も規定されています。この厚生労働省令が医薬品医療機器等法施行規則10条です。

医薬品医療機器等法施行規則10条

法第六条ただし書の規定により、薬局の名称を付することができる場所は、病院又は診療所の調剤所とする。

つまり、病院の調剤所は薬局ではないが薬局と名乗っても良いということになります。

個人的にはあえてこんな条文作らなくても良いと思うんですが…

「こちらが薬局です!」を「こちらが調剤所です!」と言い換えるだけなんだから…

実態としての違い

名称については分かりました。では、中身はどうでしょうか。これについては、薬局、調剤所それぞれ構造設備基準があります。

調剤所は医療法施行規則16条14項に規定されています。

医療法施行規則16条14項

調剤所の構造設備は次に従うこと。

イ 採光及び換気を十分にし、かつ、清潔を保つこと。

ロ 冷暗所を設けること。

ハ 感量十ミリグラムのてんびん及び五百ミリグラムの 上皿てんびんその他調剤に必要な器具を備えること。

シンプルかつ抽象的です。

一方、薬局は薬局等構造設備規則1条に規定されています。

薬局等構造設備規則1条

第一条 薬局の構造設備の基準は、次のとおりとする。
一 調剤された薬剤又は医薬品を購入し、又は譲り受けようとする者が容易に出入りできる構造であり、薬局であることがその外観から明らかであること。
二 換気が十分であり、かつ、清潔であること。
三 当該薬局以外の薬局又は店舗販売業の店舗の場所、常時居住する場所及び不潔な場所から明確に区別されていること。
四 面積は、おおむね一九・八平方メートル以上とし、薬局の業務を適切に行なうことができるものであること。
五 医薬品を通常陳列し、又は調剤された薬剤若しくは医薬品を交付する場所にあつては六〇ルツクス以上、調剤台の上にあつては一二〇ルツクス以上の明るさを有すること。
六 要指導医薬品又は一般用医薬品を販売し、又は授与する薬局にあつては、開店時間(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則(昭和三十六年厚生省令第一号。以下「施行規則」という。)第十四条の三第一項に規定する開店時間をいう。以下同じ。)のうち、要指導医薬品又は一般用医薬品を販売し、又は授与しない時間がある場合には、要指導医薬品又は一般用医薬品を通常陳列し、又は交付する場所を閉鎖することができる構造のものであること。
七 冷暗貯蔵のための設備を有すること。
八 鍵のかかる貯蔵設備を有すること。
九 貯蔵設備を設ける区域が、他の区域から明確に区別されていること。
十 次に定めるところに適合する調剤室を有すること。
イ 六・六平方メートル以上の面積を有すること。
ロ 天井及び床は、板張り、コンクリート又はこれらに準ずるものであること。
ハ 調剤された薬剤若しくは医薬品を購入し、若しくは譲り受けようとする者又は調剤された薬剤若しくは医薬品を購入し、若しくは譲り受けた者若しくはこれらの者によつて購入され、若しくは譲り受けられた医薬品を使用する者が進入することができないよう必要な措置が採られていること。
ニ 薬剤師不在時間(施行規則第一条第二項第三号に規定する薬剤師不在時間をいう。)がある薬局にあつては、閉鎖することができる構造であること。
十一 要指導医薬品を販売し、又は授与する薬局にあつては、次に定めるところに適合するものであること。
イ 要指導医薬品を陳列するために必要な陳列棚その他の設備(以下「陳列設備」という。)を有すること。
ロ 要指導医薬品を陳列する陳列設備から一・二メートル以内の範囲(以下「要指導医薬品陳列区画」という。)に医薬品を購入し、若しくは譲り受けようとする者又は医薬品を購入し、若しくは譲り受けた者若しくはこれらの者によつて購入され、若しくは譲り受けられた医薬品を使用する者が進入することができないよう必要な措置が採られていること。ただし、要指導医薬品を陳列しない場合又は鍵をかけた陳列設備その他医薬品を購入し、若しくは譲り受けようとする者若しくは医薬品を購入し、若しくは譲り受けた者若しくはこれらの者によつて購入され、若しくは譲り受けられた医薬品を使用する者が直接手の触れられない陳列設備に陳列する場合は、この限りでない。
ハ 開店時間のうち、要指導医薬品を販売し、又は授与しない時間がある場合には、要指導医薬品陳列区画を閉鎖することができる構造のものであること。
十二 第一類医薬品を販売し、又は授与する薬局にあつては、次に定めるところに適合するものであること。
イ 第一類医薬品を陳列するために必要な陳列設備を有すること。
ロ 第一類医薬品を陳列する陳列設備から一・二メートル以内の範囲(以下「第一類医薬品陳列区画」という。)に医薬品を購入し、若しくは譲り受けようとする者又は医薬品を購入し、若しくは譲り受けた者若しくはこれらの者によつて購入され、若しくは譲り受けられた医薬品を使用する者が進入することができないよう必要な措置が採られていること。ただし、第一類医薬品を陳列しない場合又は鍵をかけた陳列設備その他医薬品を購入し、若しくは譲り受けようとする者若しくは医薬品を購入し、若しくは譲り受けた者若しくはこれらの者によつて購入され、若しくは譲り受けられた医薬品を使用する者が直接手の触れられない陳列設備に陳列する場合は、この限りでない。
ハ 開店時間のうち、第一類医薬品を販売し、又は授与しない時間がある場合には、第一類医薬品陳列区画を閉鎖することができる構造のものであること。
十三 次に定めるところに適合する医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号。以下「法」という。)第九条の三第一項及び第四項、第三十六条の四第一項及び第四項並びに第三十六条の六第一項及び第四項に基づき情報を提供し、及び指導を行うための設備並びに法第三十六条の十第一項、第三項及び第五項に基づき情報を提供するための設備を有すること。ただし、複数の設備を有する場合は、いずれかの設備が適合していれば足りるものとする。
イ 調剤室に近接する場所にあること。
ロ 要指導医薬品を陳列する場合には、要指導医薬品陳列区画の内部又は近接する場所にあること。
ハ 第一類医薬品を陳列する場合には、第一類医薬品陳列区画の内部又は近接する場所にあること。
ニ 指定第二類医薬品(施行規則第一条第三項第五号に規定する指定第二類医薬品をいう。以下同じ。)を陳列する場合には、指定第二類医薬品を陳列する陳列設備から七メートル以内の範囲にあること。ただし、鍵をかけた陳列設備に陳列する場合又は指定第二類医薬品を陳列する陳列設備から一・二メートル以内の範囲に医薬品を購入し、若しくは譲り受けようとする者若しくは医薬品を購入し、若しくは譲り受けた者若しくはこれらの者によつて購入され、若しくは譲り受けられた医薬品を使用する者が進入することができないよう必要な措置が採られている場合は、この限りでない。
ホ 二以上の階に医薬品を通常陳列し、又は交付する場所がある場合には、各階の医薬品を通常陳列し、又は交付する場所の内部にあること。
十四 次に掲げる調剤に必要な設備及び器具を備えていること。ただし、イからカまでに掲げる設備及び器具については、それぞれ同等以上の性質を有する設備及び器具を備えていれば足りるものとする。
イ 液量器
ロ 温度計(一〇〇度)
ハ 水浴
ニ 調剤台
ホ 軟 膏こう 板
ヘ 乳鉢(散剤用のもの)及び乳棒
ト はかり(感量一〇ミリグラムのもの及び感量一〇〇ミリグラムのもの)
チ ビーカー
リ ふるい器
ヌ へら(金属製のもの及び角製又はこれに類するもの)
ル メスピペツト
ヲ メスフラスコ又はメスシリンダー
ワ 薬 匙ひ (金属製のもの及び角製又はこれに類するもの)
カ ロート
ヨ 調剤に必要な書籍(磁気デイスク(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録しておくことができる物を含む。)をもつて調製するものを含む。以下同じ。)
十五 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行令(昭和三十六年政令第十一号)第十条ただし書に規定する許可に係る薬局については、次に掲げる試験検査に必要な設備及び器具を備えていること。ただし、試験検査台については、調剤台を試験検査台として用いる場合であつて、試験検査及び調剤の双方に支障がないと認められるとき、ニ、ホ、ト及びリに掲げる設備及び器具については、施行規則第十二条第一項に規定する登録試験検査機関を利用して自己の責任において試験検査を行う場合であつて、支障がなく、かつ、やむを得ないと認められるときは、この限りでない。
イ 顕微鏡、ルーペ又は粉末X線回折装置
ロ 試験検査台
ハ デシケーター
ニ はかり(感量一ミリグラムのもの)
ホ 薄層クロマトグラフ装置
ヘ 比重計又は振動式密度計
ト pH計
チ ブンゼンバーナー又はアルコールランプ
リ 崩壊度試験器
ヌ 融点測定器
ル 試験検査に必要な書籍
十六 営業時間のうち、特定販売(施行規則第一条第二項第四号に規定する特定販売をいう。以下同じ。)のみを行う時間がある場合には、都道府県知事(その所在地が地域保健法(昭和二十二年法律第百一号)第五条第一項の政令で定める市(以下「保健所を設置する市」という。)又は特別区の区域にある場合においては、市長又は区長)又は厚生労働大臣が特定販売の実施方法に関する適切な監督を行うために必要な設備を備えていること。
2 放射性医薬品(放射性医薬品の製造及び取扱規則(昭和三十六年厚生省令第四号)第一条第一号に規定する放射性医薬品をいう。以下同じ。)を取り扱う薬局は、前項に定めるもののほか、次に定めるところに適合する貯蔵室を有しなければならない。ただし、厚生労働大臣が定める数量又は濃度以下の放射性医薬品を取り扱う場合は、この限りでない。
一 地崩れ及び浸水のおそれの少ない場所に設けられていること。
二 主要構造部等(建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第二条第五号に規定する主要構造部並びに内部を区画する壁及び柱をいう。以下同じ。)が耐火構造(同法第二条第七号に規定する耐火構造をいう。以下同じ。)であり、かつ、その開口部には、建築基準法施行令(昭和二十五年政令第三百三十八号)第百十二条第一項に規定する特定防火設備に該当する防火戸(第九条第一項第三号において「防火戸」という。)が設けられていること。ただし、放射性医薬品を耐火性の構造の容器に入れて保管する場合は、この限りでない。
三 次の線量を、それぞれについて厚生労働大臣が定める線量限度以下とするために必要な遮蔽壁その他の遮蔽物が設けられていること。
イ 貯蔵室内の人が常時立ち入る場所において人が被曝するおそれのある放射線の線量
ロ 貯蔵室の境界における放射線の線量
四 人が常時出入りする出入口は、一箇所であること。
五 扉、蓋等外部に通ずる部分には、鍵その他閉鎖のための設備又は器具が設けられていること。
六 別表に定めるところにより、標識が付されていること。
七 放射性医薬品による汚染の広がりを防止するための設備又は器具が設けられていること。
3 放射性物質又は放射性物質によつて汚染された物の廃棄を行う薬局の廃棄設備の基準については、第九条第一項第四号の規定を準用する。この場合において、同号ニの(4)中「作業室、試験検査室」とあるのは「調剤室」と読み替えるものとする。
4 放射性医薬品を密封された状態でのみ取り扱う薬局において、放射性医薬品の容器又は被包の表面の線量率が厚生労働大臣が定める線量率を超える場合には、次に定めるところに適合する調剤室を有しなければならない。
一 第二項第一号、第二号、第四号、第五号及び第七号に定めるところに適合すること。
二 第二項第三号の基準に適合する遮蔽壁その他の遮蔽物が設けられていること。
5 放射性医薬品を密封されていない状態で取り扱う薬局の構造設備の基準については、第九条(第一項第三号及び第四号を除く。)の規定を準用する。この場合において、同条第一項中「第六条及び第七条」とあるのは「第一条第一項、第二項及び第三項」と、同項第二号中「放射性医薬品に係る製品の作業所」とあるのは「放射性医薬品を取り扱う薬局内の放射性物質を取り扱う場所」と、同号ホ中「作業室及び試験検査室」とあるのは「調剤室」と読み替えるものとする。
(昭四三厚令二一・昭六二厚令二九・平元厚令一一・平六厚令四・平九厚令二九・平一〇厚令四〇・平一二厚令九九・平一二厚令一二七・平一二厚令一五〇・平一三厚労令四九・平一六厚労令一八〇・平一七厚労令一〇一・平二一厚労令一〇・平二六厚労令八・平二六厚労令八七・平二七厚労令八〇・平二九厚労令九七・平二九厚労令一〇七・一部改正)

こんな感じです。

薬局と調剤所では構造設備基準は全く違うことが分かります。

まとめ

病院の薬局は薬局ではない。構造設備は全く違う。でも、薬局と言って良い。

 

 

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