姫路市飾磨の調剤薬局
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飲食物が薬の効果に影響する仕組み

 

薬を買うとき一緒に口にしてはいけない食べ物について説明されたことはないでしょうか。

薬局に行って習慣的に食べているものについて事細かに聞かれたことはないでしょうか。

一部の食べ物は薬の効果を上げたり下げたりします。どうしてそのようなことが起こるのでしょうか。

食べ物が成分を失活させるケース

薬は化学物質です。食べ物の成分と化学結合する場合があります。

例えば、食べ物や飲み物の中のミネラルと結合する薬があります。

骨粗しょう症の薬でビスフォスフォネート系薬と呼ばれる薬がそうです。有効成分とミネラルが化学的に結合してしまうため、有効成分の体内への吸収が低下してしまいます。このため、この薬は朝起きて飲んで30分間水以外摂取してはいけないことになっています。硬水も影響するようです。

また、鉄剤をお茶で飲んではいけないという話は有名ですが(現在では否定的ですが)、鉄がお茶の成分と結合して効果が低下するという論理に基づくものです。

食べ物が胃に作用するケース

食べ物は胃のpHを上げる

胃は空腹時では胃酸によって強い酸性の状態になっています。ここに食べ物が入るとpHは劇的に上昇し中性近くまでになります。すると一部の薬が水に溶けにくくなったり、溶けやすくなったりします。

 

これによってよくトラブルを起こすのがロキソニンやイブプロフェンなどの解熱鎮痛薬です。

これらの薬は胃の粘膜にちょっかいを出す副作用があります。

 

薬は一般に水に溶けた状態よりも、溶けていない状態の方が体内に移行しやすくなっています。

解熱鎮痛薬は水に溶けにくい酸性の物質で、空腹時だとさらに胃酸に溶けにくくなります。

そのために、強い酸性下であるほど胃の粘膜の副作用が増加します。

こういったことから解熱鎮痛薬は食後に服用することが薦められます。

 

炭酸飲料や酸っぱいジュースはpHを下げるので逆の作用があります。

 食べ物には油や脂肪分が含まれている

ちゃんと体内に吸収されるために、飲み薬はいくつかの要件が求められます。

薬は水と油どちらにも溶けやすくないと体の中に入っていきません

水に溶けなければ消化液に溶けないので消化管中で分散しないし、

身体の細胞は油分に覆われているので、油に溶けないと体内に入っていきません。

 

当然のことですが大抵の食事には油が含まれています。

さて、油にだけ溶けやすく、水に溶けにくい薬はどうなるでしょうか。

そこに油がやってくると一気に体内に吸収されることになります。

その結果、油に溶けやすい薬は食べ物によってその効果が強く現れる傾向があります。

 

よく例に挙げられるのが長時間作用型の睡眠薬のクアゼパム(商品名:ドラール)です。この薬は食後に服用すると吸収量が増大します。この結果、効果が過剰に現れるため、空腹時にしか飲んではいけないことになっています。

もちろん上記の解熱鎮痛薬も水に溶けにくい薬なので食後に服用すると(いい意味で)影響を受けて、空腹時よりも吸収が上昇します。

ここまでいかないにしろ、どの薬も大なり小なり食べ物の中の油の影響を受けます。

 胃が食べ物に反応する

胃は食べ物が送られてくると、胃の中での消化を行うため、腸への食べ物の排出速度が遅くなります。すると一緒に飲んだ薬の吸収も遅くなります。

抗生物質のアモキシシリン(商品名:サワシリン)やセファクロル(商品名:ケフラール)の吸収速度が空腹時と食後では結構変わるようです。

 食べ物が小腸に作用するケース

小腸には毒物を体の中に侵入させないシステムがあります。

その一つに毒物を小腸の粘膜上で変化させて吸収させないシステムがあります。

人間の体は毒と薬を見分けることは出来ないので、体に必要な薬であってもこのシステムによって代謝されてしまいます。

そのシステムはCYP3A4という名前の酵素です。

この酵素を乱す飲食物があります。それがグレープフルーツジュースです。

グレープフルーツジュースの成分はこのCYP3A4の働きを邪魔して薬の吸収を増大させます。

これに対してグレープフルーツジュースは多くの薬が関係していますが、絶対にグレープフルーツジュースがダメかといえば薬の種類や飲むグレープフルーツの濃度などケースバイケースなので薬剤師に相談すればよいでしょう。果汁1%と濃縮還元の影響の違いはかなり大きいものです。こ

 他にもいろんなケースが

代謝の過程で影響するケースやその食べ物自体が薬の作用と逆の作用を持つケースなどもあります。

一例をあげれば、前者には炭焼きビーフが肝臓の代謝酵素CYP1A2を誘導して一部の薬の代謝を促進するといったケース、後者には納豆とワルファリン等の食べ物に薬と逆の作用があるケースがあります。ビタミンKの作用を阻害することで効果を発現するワルファリンを服用中に、ビタミンKを多く含む納豆を食べると当然、その効果が低下します。

その他いろいろ相互作用が起こることがあります。いっぱい相互作用はありますが、問題のあるものは予め薬剤師が説明するので過度に不安になる必要もありません。興味があれば聞いてみるのも良いでしょう。

まとめ

・薬と食べ物の影響は吸収の段階にある場合が多い

・どんな食べ物でも多少は薬に影響する

・大事な影響は薬を貰う前に専門家が説明してくれると思う

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